「戦わずして勝つ」という言葉は最近知ったばかりの言葉です。これは孫子の教えで、紀元前の昔から戦いの場におけるセオリーとして説かれてきているそうです。偉大な言葉を知らなかったけど、実践を通して戦わないビジネスをして来られたことはラッキーだったと思います。
今まで他人と競争したりしませんでした。もし誰かと競争しなくてはならない場合、「けっこうです。お先にどうぞ」と言って引き下がってしまう性格です。私は頭が良くないので、他人と競争したら負けると思っています。大企業のビジネス成功方法では無いですが、競争しないということは、小さいながらも不動産会社を44年維持して来られた方法の一つです。
他人と違う道を選ぶ、違う方向に向かってもいい
同じ土俵で競争するのではなくて、土俵から下りてしまう
皆がしていないことを探す
マイペースで仕事をする
好きな事をする
一人で楽しく前に進む
独自の価値観を持つ
どれだけの人と繋がれるかを考える
お客さまに楽しさを与える事を考える
他人と同じ程度の結果でなくて、常識外の結果を得る事ができる
他人と競争をするという事はその相手と同じレベルのスタートラインに立つという事です。それは多かれ少なかれ同じ程度の成績を収める事になる場合が多く、どんぐりの背比べになってしまいます。しかし競争をしない事により自分の目標を高く設定する事が出来る。
好きなことをしていると良い仕事が出来て幸運がめぐってくる
ワクワクしながら仕事ができる
周りの人の成績が気にならないので、のびのび仕事ができる
トランプタワー・ワイキキ・ビーチ・ホテル
トランプタワー・ワイキキのセールスの時でした。一般枠、約200ユニットの販売数に対して1600人もの人が申し込みをして9時間で販売完了し、世界記録を作った超話題のプロジェクトでした。
ハワイの不動産エージェントが競い合って購入申込期日に書類を提出しました。後で分かったのですが、ハワイの不動産エージェントは1人につき平均2~3人分の申込をしたという事でした。この時に私が他のエージェントと競争して同じような方法でセールスをしていたら、私も彼らと同じように2~3人分の申込書を提出するだけで終わっていたと思います。当時私は他のエージェントと競争をするという意識はありませんでした。ともかく自分でもどうしてもトランプタワーを買いたいと思っていたので、このプロジェクトが発表されるのを心待ちにしてワクワクしていたのです。待ちに待った発表があった時にこのワクワク感をどのようにお客様にお伝えできるか考えました。
このワクワクの思いが強かったので、お客様にこまめに情報を発信しました。プロジェクトの情報が殆ど無い状態だったのに、セールスオフィスからトランプータワー・ワイキキのビルの完成写真パネル1枚を借りて、発表から1週間後には東京行きの飛行機に乗っていました。分っていたのは販売価格の幅が最低50万ドル位から6百万ドル位までで申し込み受付開始が多分9月頃でしょうというだけでした。
日本ではまだトランプタワーという名前が知られていなかったのですが、帝国ホテル東京で「トランプタワーワイキキ、新築物件のご案内」というセミナーを開催してしまいました。長年の経験でハワイの新築物件の購入方法は熟知していたので、多分トランプータワー・ワイキキも同じような手順で販売するという事を、参加者に説明をしました。ともかくお客様にはトランプータワーワイキキの販売が開始しますとう事をお知らせしたかったのです。
2度目の東京でのセミナーの題は「トランプタワーワイキキの購入申し込み書の書き方」でした。もちろんセミナーの題のように、このセミナーに参加して下さる人は皆購入希望の人達でした。
私のプロジェクトに対する固定観念が普通のエージェントと同じように2~3人分を販売出来れば嬉しいと思っていたら、それで終わっていたと思います。しかし、私は85人分の申込書を提出しました。これは断トツな数字でした。ワクワク感が一杯で他の不動産エージェントの事は頭にありませんでした。他人と競争をしなかったから、自分の価値観だけで動いていたからの結果だったと思います。
他人と競争をするという事はその相手と同じレベルのスタートラインに立つという事です。それは多かれ少なかれ同じ程度の成績を収める事になる場合が多く、どんぐりの背比べになってしまいます。しかし競争をしない事により期待以上の大きな成果を得る事ができる。