私がまだ不動産会社を始めたばかりの頃は、ワイキキビジネスプラザのオフィスで朝7時頃から
夜の11時半頃まで仕事をしていました。毎晩夜中の12時にビルが閉まるので、それまでにはエレベーターで駐車場に降りなくてはなりませんでした。大きなオフィスビルで夜遅く11階にいるのは私ひとりでした。セキュリティガードは私が帰る頃になるとオフィスに来てくれて、良く車まで送ってくれました。夜一人で暗い廊下を通ってお手洗いに行ったり、今思うと怖がらずに平気で仕事をしていたものだと、我ながら関心してしまいます。
その当時ハワイの出版社の社長夫人と親しくしていました。彼女も私と同じように夜遅くまで会社で仕事をしていたようです。夜遅くお手洗いに行くのは怖いので、彼女はどうしても必要な時は瓶で用をたしていた秘密を話してくれた事があります。彼女は他界してしまいましたが、お互いに励まし合ったのが懐かしいです。
今はリモートワークが当たり前ですが、その当時はオフィスで仕事をしなくてはなりませんでした。アメリカ本土の人がハワイでリモートワークをしていて、こんな素敵な場所は無いと言って、ハワイに移り住む人がいます。コロナ禍リモートワークのお蔭で益々ハワイは住みたい場所の一つになっています。
私が一番忙しかった時期は不動産の仕事を夕方5時までして、その足で自分の経営するワイキキのギフトショップに行って夜の10時半頃まで仕事をしていました。その時期は子供が小さかったので子育てもしながらでしたので、丁度1人で3人分の仕事をしていた感じでした。主人も同じように仕事をしていましたので、彼も3人分の仕事をこなしていたことになります。2人合わせて合計6人分の仕事をしていた計算です。
独身者の場合で普通に仕事をしている場合は1人分だけの仕事をしていることになります。
夫婦合わせて6人分の仕事をしたということは、独身者と比べると1対6の計算になります。若いうちからある程度の財産を築きあげることが出来た理由の一つは、人の6倍の仕事をこなし、6倍の速さで実績を積み上げてきたからだと思います。
私達は夫婦でワイキキのレストランで、のんびりランチを食べていたことで有名だったそうです。特別仲が良いと言う訳でも無かったのですが、一緒にランチを食べているだけで、仲が良いと思われていたそうです。実際は仕事の打ち合わせをしていました。でも自分の会社の社員でさえ、二人は毎日仲良く出かけて羨ましいと思っていたようです。
私達はオフィスのランチルームが狭いし、夫婦で経営している会社に勤めていて、ランチ時間まで私達夫婦に監視されているようでは、社員がかわいそうだと思っていました。だから、なるべくランチ時間はオフィスを空けるようにしていたのです。「鬼居ぬ間に洗濯」も必要だと思っていました。
社員は朝8時にオフィスに入ってきた時に明るく「おはよう」と挨拶をする私、ランチをレストランで食べてた私、社員に夕方5時に「お疲れ様」と挨拶をするまでの私しか知りません。
社員がオフィスに入る1時間前、朝7時にはオフィスに入っていました。時にはオフィスに入る前にどこかに立ち寄って一仕事を終えて入っていた時もありました。夕方5時以降から翌朝まで私達がどれだけ、社員の見えないところで仕事をしていたか、社員は知りませんでした。
結局オフィスビルのセキュリティガード以外は、誰が見ても私達は優雅でのんびり仕事をしているように見えていたようでした。実際は6人分の仕事をしていましたが、、、、「華麗なる誤解」はこのまま美しく残しておきたいものです。
このように夫婦で6人分働いたお話は私達夫婦だけではありません。弊社のお客様で1部上場企業の社長達の多くは私達夫婦と同じように、会社立ち上げの時期は夫婦で6人分働いていたというお話を沢山聞きました。一生6人分働き続けるということではありません。会社立ち上げの時や、ここぞという大変な時や、会社が大きく成長する時だけです。
夫婦で6人分働く事はビジネス成功の一つです。